カーネーション最終回のこと。

今週の「カーネーション」を今日連続で一気に観た。終わりに向けて少しはパワーダウンするのかと思っていたが、今週が番組観始めてから一番泣いたんじゃないだろうか。実質尾野真千子が出てる「カーネーション」は最終回ということだしね。そりゃ、一番クライマックスになるところだよね。夏木マリが出て来るということになると麻生祐未も退場になるということだとは思っていたがああいう描き方だとは思わなかった。小林薫もめずらしく(写真)って書いてなかったから何だろうとは思っていたが…。あと一ヶ月夏木マリと過ごせるのか心配だったが、登場した瞬間爆笑してしまった。このドラマのキャストの切り替わりの鮮やかさはいつも見事。しかし、この尾野真千子を明日から観られないということの喪失感は何なんだろう。彼女を求めて嫌いな河瀬直美監督作にまで手を出すほどフラフラとツタヤをさまようのだろう、きっと。

仕事の初出勤でオンエアを観られない「おひさま」の最終回を録るために買ったブルーレイ・レコーダーはまさに「カーネーション」のために稼働することになった。正直なところ「おひさま」後の次回朝ドラの予告を観た時は「何だこのジャガイモみたいなヒロインは」(俺じゃなくてほっしゃん。が言ったんスよ!)と思ったんだけど、第一回の子供時代の糸子と少女時代の糸子が歌うオープニングで心を持っていかれ、主題歌が椎名林檎で脚本が渡辺あやと出た瞬間に「これはヤバい」と思った。カーネーション花言葉は「母の愛」だそうですけど、これは糸子からだけじゃなくて、糸子の母千代、千代の母貞子と善作の母ハルから続く愛情なんだなと土曜の放送を観て思った。善作の心の内が明かされることはなかったんだけど、糸子が親の歳になって善作の気持ちが糸子の気持ちで観ている視聴者に直接分かるようになっていたり、これからはハルや千代の気持ちが夏木マリの糸子を通じてこちらに伝わってくるのだろうか。

俺だけじゃなくて俺の親も兄も「カーネーション」にハマってて、うちの親は「どんど晴れ」も「てっぱん」も面白いと観てしまうので彼らの「面白い」は今ひとつ信用できないんだけど、今回はちょっと様子が違う。観られない回があると俺に録画を見せるようにねだるし、このまえ実家で立ちながら観ていたら後ろから「アンタ!そこにいたら見えないでしょ!」とトイレの扉を少し開けながら観ている母の姿があった。Well, Now You can see what you want. But Now I can see the thing I don't want to see too.
兄もね、
俺 「いやー、しかし優子演じてるのが新山千春だって気づかなかったよ」
兄 「そうそう。…えぇぇ!
俺 「しかも三女演じてるの安田美沙子でしょ。グラビアじゃなくて動いてる彼女初めて見たよ」
兄 「そうそう。…えぇぇ!
どうやらオープニングはスキップで飛ばすらしい。人の話ちゃんと聞けよ。

そう言えば2月16日に淡島千景さんが亡くなってたらしいですね。俺にとってみたらホイットニー・ヒューストンを追悼してる場合じゃないよ。でも、ニュースの扱いはホイットニーの方が大きかったよね。日本の映画スターの扱いってなんでいつもこう小さいんだろうね。俺はこの人が今の尾野真千子に対して感じるような気持ちで好きな女優さんで、亡くなられたと聞いて本当にへこんだ。「夫婦善哉」が有名だけど「もず」「にごりえ」「鰯雲」「日本橋」とか上手くて綺麗でコメディセンスも抜群で、お年を召してからも「夏の庭」とかに出てるのを観て「すげえなぁ」とか思ってたんですが、週刊新潮橋田壽賀子が彼女の生活費のために「渡る世間」で彼女のための役を作ったという話を読んで本当に悲しくなった。

「ALWAYS 三丁目の夕日'64」を観る。

最近、農耕用大型特殊の免許を取りに行ったりしてました。あと、会社がJGAPやるというのでその研修などに行ったりもしてましたが、メインで作業に取り組むのは自分なのであまりの手続きの膨大さに何から手をつけてよいのやら。

ドラマは宮部みゆき原作の「ステップファーザー・ステップ」を途切れずに観てたりします。原作は昔読んでるんですが主人公が泥棒くらいの記憶しかなくて、「今夜は眠れない」などの宮部みゆきの中ではホームミステリーものにジャンルされるものの一つですね。これは「ヴェロニカ・マーズ」だなと。「ヴェロニカ・マーズ」は探偵業の父親を助ける女子高生ヴェロニカが学校の生徒たちの抱えるトラブルも解決していくという探偵ドラマで、主人公の家族がバラバラになるきっかけになる親友の殺人事件がシリーズの根底にあるものの、”自分の本当の父親を探してほしい”とかクレジットカード詐欺、犬の失踪、など本人にしてみれば大変なことだけど社会的な目でみれば小さな事件を解決していく内に大人社会に振り回される子供たちの悲惨な状況や格差社会や人種差別などの問題が浮かび上がってくる優れた構造を持っていて、毎回死人が出てただ犯人が捕まるだけの日本のサスペンスドラマや子供探偵アニメに比べるとよほど考えさせられるドラマなんですが、宮部みゆきの小説も犯人探しの型を持ちながら基本はそこにあるのであって「ステップ〜」もそういうドラマになるのだろうと期待して観ているんですが、内枠のホームコメディ部分は時々グッと来るところもあるのですが、外枠のミステリーの部分が圧倒的に弱くてもったいない。小西真奈美目当てに見続ける予定ですが、上川隆也伊東四朗って「平清盛」の鱸丸と白河法皇じゃねえか。どんなかぶり方だよ、それ。伊東四朗は日曜に「お前の母を殺したのは俺だ!」と子供に向かって大人げなく脅しをかけたかと思えば、月曜には「お前にはあの子たちが守っている物が分からないのか?」とか子供の味方になったり、どっちが本当のお前なんだ。
I thought I Knew you man, but I don't know you any more!

カーネーション」は相変わらず鉄板(「てっぱん」は全然鉄板じゃなかったけど)ですが、「平清盛」は観るたびにテンションが下がる。第一回はあんなに面白かったのに…。たぶんそれはあの回の主人公が中井貴一だったからなんだと気づく。彼が主演だった「武田信玄」の時にあのテンションだったらもっと面白かったのに(それでも時代考証とかも含めあの頃の方がドラマとして優れてたが)。主人公の成長がいちいち「え、そこからなの!」というぐらい設定が低くて、主人公が登場人物の中で一番人間が浅いというのが凄い。俺が大河を観るの止めた「信長」レベルなんじゃないだろうか。もはや流行りも廃れてきてる海賊モノとしても「ゴーカイジャー」(俺の兄貴が見てた)にすら先を越されてる感が否めない。以前今回の「平清盛」の関連番組として仲代達也が平清盛を演じた「新・平家物語」の総集編の一話を放映していましたが、その豪華キャストぶりに気絶しそうになりました。こっちが見たいよ!
映画版「新・平家物語」もデジタル・リマスターで観ましたが、雷蔵がカッコ良すぎて死にそうになりました。

日本には「パイレーツ・オブ・カリビアン」なんかよりもはるかに面白い海賊モノの名作「海賊八幡船」があるんだから、こっちを意識してほしいよね。殺陣も駄々のこね方も大川橋蔵の方が引き出しが多いよ。

あとMovix仙台で「ALWAYS 三丁目の夕日’64」を3Dで観ました。3Dの映画を観たのは「アバター」以来です。別に3D映画を敬遠していたわけじゃなくて、「ヒックとドラゴン」なんかは3Dで観なかったことを後悔してるくらいなんですが、「ALWAYS〜」の新作は3Dで観なくてはという思いはありました。ちょうど自分が過去の日本映画にはまっていた頃公開されたのが本作の第一作目であり、映画の中の昭和の風景しか知らない世代がイメージした昭和の東京には瑞々しい新しさと勢いがあったのがこの作品の魅力だったので、シリーズ初の3Dはどんな凄いことになっているのだろうと期待していました。が、映画は登場人物のなんてことはないドラマが中心なので3Dでなければならないシーンと言うのは数えるほどしかなく、3D版を作るのに費用がかかり過ぎたのか、今回は架空の東京ロケシーンが前2作の使い回しで済ませたんじゃないかと言うくらい少なくて、箱の豪華さゆえに観ることができたドラマが余計スケールダウンして見えました。3Dメガネの少し暗くなる視界がドラマ自体も暗く見せてしまったし、これなら2Dで観た方がまだ楽しめたかも知れない。
東京オリンピックがどのように描かれるのかと思えば、ただテレビ番組としてという扱いだったのも不満で、それこそ現在の東京の姿を形作ったのが東京オリンピックだったわけで、第2作目で映された日本橋の上に高速道路ができてしまったり、64年という時代はこのシリーズの魅力である東京の景観を損ねてしまった年でもあるわけで、その辺りを避けたのは分からなくもないけど、当然そういう建築物の変化なんかを3Dで見られると期待していたので肩すかしだったですね。それなら市川崑の「東京オリンピック」観かえせば良いだけだし、当時のエレキギターの話が観たければ大林宣彦の「青春デンデケデケデケ」観るよ。
鈴木家と茶川家に家族として迎えられた六子と淳之介のリアルタイムな成長を見るという意味では彼らの旅立ちのエピソードはそれなりにグッと来るものもあったし、泣きもしたんだけど、六子のような一生懸命生きる人が必ずしも報われた時代ではなかったはずだし、ひとつ男を間違っていれば純粋であるがゆえに落ちていく左幸子の「にっぽん昆虫記」みたいな展開になっててもおかしくないわけで。幸せをつかむ話ならもっと苦労が描かれていないとやっぱり絵空事なんだよね。菊地に無料で診察を受ける水商売や赤線の女だって菊地に惚れちゃったりするんじゃないの?菊地が本当は悪い男でも面白かったと思うし。これからドラマ中心で描いていくなら、東宝映画の森谷司郎と井出俊郎コンビの内藤洋子映画のクオリティがないときついっすね。だって、「三丁目の夕日'69」も作るんでしょ。飛び出る機動隊とゲバ棒!そういうのなら観たいね。

ホイットニー・ヒューストンのこと。

ホイットニー・ヒューストンのアルバムで最初に聴いたのは「I'm Your Baby Tonight」だった。本当は「I Wanna Dance With Somebody」を聴きたかったのだけれど、当時はネットもなく曲名も知らなかったから聴きたい歌を見つけるまでアルバムを探すしかなかったんだよな。

その後彼女がボビー・ブラウンと結婚したのを知って、ガキながらに「釣り合わないカップルだなぁ」と思ったものだった。アメリカのコント番組「In Living Color」でジェイミー・フォックスが赤ん坊を抱えたホイットニーに扮して(女装して変な女を演じるのが彼の持ちネタだった)、遊びに行こうとする旦那に「It's Your Baby Tonight!」(今夜の小守はあんたよ!)と「I'm Your Baby Tonight」のパロディをやっていたのを見て「ホントにこんな感じかもしれない」と思ったものだ。ネットで検索しても出てこないぜ。このコント傑作だったんだけどな。
映画「ボディガード」はホイットニー・ヒューストンのパフォーマンスが「この人は殺しても死ぬのだろうか」と思わせるほど凄すぎて映画としての緊張感がぶち壊しになっていて、歌が上手すぎるのも問題だなと思ったもんだ。どこに行ってもこの歌が流れていた。歌が上手い人はゲストで出て来るくらいがちょうど良いのだ。自分が主演で歌が上手すぎるとどんな人でも多少鼻につく。だから、「天使の贈り物」は観る気がしなかった。今なら観れるかもしれない。
「ため息をつかせて」はなかなか硬派な女性映画で、彼女が主演でなかったので観に行った。彼女は男を平気で捨てるクールな女を演じていたが、夫の浮気と暴力に悩まされるアンジェラ・バセット演じる役の方にダブって仕方がなかった。この映画のサントラに入ってるメアリーJ・ブライジが歌う「Not Gon'Cry」の方が彼女が歌っている主題歌「Exhale」よりも印象に残るのだ。

この映画のアンジェラのように強く振る舞えたら良かったのにと思う。

今見かえしてみると笑顔の素敵な人だったと感じるのは亡くなったからなんだろう。
You shouldn't have loved us all the time. It made you tired.

「聯合艦隊司令長官 山本五十六」を観る。

栗原市のうちの辺りは気温マイナス10度を下回る日が何度かあって、毛布かけてても水道凍るし、雪は積もるし。すいません、雪国ナメてました。

仙台に2度ほど出張してました。今週もあります。その合間にフォーラム仙台でマイク・リーの新作「家族の庭」、Movix仙台で「聯合艦隊司令長官 山本五十六」を観てきました。「マイウェイ」「ロボジー」あたりも観ておきたい。「ワイルド7」は色んな意味でカワイイ映画でしたよ。

マイク・リーの映画は美男美女は絶対出てこないし、その手の要素を求める人にはまず観られない映画だけど、この人の映画でしか味わえない複雑な感情や観終わった後の不思議な感覚は結構クセになるものがあって、少なくても俺はそうなんですけど、今回の映画も予告編も前情報もなく映画館に行ったんですが、「今日もスゲーいい修羅場が入荷しましたぜ、奥さん」的な秋編がお勧めです。

こんな映画じゃないんですよ。レスリー・マンヴィルという女優さんのダメさが凄くリアル。くさか里樹の「ヘルプマン」のシングル編に匹敵するものがあるね。観ていて気が滅入る人たちがたくさん出てきて観終わった後心底疲れるけど、みんな気軽に観に来てね。

ヘルプマン!(16) (イブニングKC)

ヘルプマン!(16) (イブニングKC)



三船敏郎版「五十六」のダイジェスト版。これだけ先見の明がある人が常に受け身で時流に流されていくのかが三船さんが立派に演じれば演じるほどしっくりこないのですが、役所版「五十六」はマスコミに先導されていると言え国民がそれを望んだんだよとはっきり指摘します。三船さんの頃には言えなかったんだろうね。

父と観に行きましたが公開から結構たってるのに人入ってましたね。年齢層は若干高めでした。玉木宏のキャスティングなどで若い人にも観てもらいたいんでしょうけど、やはり高齢層の答え合わせになってるっぽい。

ここのところ難しい顔ばかりしてた役所広司でしたが、予告編の硬そーなイメージとは裏腹に終始柔らかい笑顔を見せながらモノを食べたり将棋さしてたりして良かったですね。海軍大臣を演じた柄本明が気の抜けた登場をした瞬間笑っちゃったですもん。この二人は監督の成島出の初監督作「油断大敵」でいいコンビだったのを思い出しました。登場する食べ物が美味そうでね。しかも、みんな美味そうに食うんだ。あの「水まんじゅう」は食べてみたいですね。酒まんじゅうを氷水に浸して砂糖ぶっかけて食べるのか五十六風らしい。

映画の雰囲気としては海軍を深く愛した松林宗恵監督作品に通じるものがありました。上のはミッドウェイ海戦を描いた「太平洋の嵐」。今回阿部寛が演じた山口多聞をまた三船さんが演じてます。ヤマトタケルから明治天皇まで偉い人はだいたい演じてる。役所版「五十六」ではどうやったら戦争が避けられたのかということは描いてなくて、むしろ景気が悪くなり世の中に閉塞感が出て来ると、みんなわかりやすい方向に流れやすいから、きちんと知識とデータの裏付けのもとに判断を下していきましょう、戻れなくなる前に。ということだと思います。「泥臭く」とか「TPPお化け」とか「日本を一から作り直す」とかよく分からない言葉につられないように生きて行きたいです。

109シネマズ富谷で「ワイルド7」を観ました。予告編の「ドラゴンタトゥーの女」の音響がほかの劇場と全然違った。これはここで観たいな。原作は読んでないんですが「ワイルド7」というぐらいだからメンバーはみんなワイルドなのかと思ったら、みんなカワイイ系なんですよね。俺が「明日からワイルドになってください」って依頼されたらものすごく悩むけどね。「ブラックスワン」でナタリー・ポートマンが「セクシーになれ」って言われてあんなに苦しんだのに、こいつら一ミリも悩んだ形跡がないんだよね。唯一強面の宇梶さんは実際凄い経歴の人みたいですが、クビに赤いの巻いてると、

を連想させるし。That's Cawaii. 起こるシチュエーションがバイクで任務に当たるのに危険&効率悪いことばっかりで、終盤機動隊が待ち受ける中トラックで突っ込むという場面も「ああ、ガントレットか」と期待してたら自分たちのトラックを自分たちでハチの巣にしてたからね。That's sorry. 仲間を犠牲にして黒幕の前に立ちふさがった瑛太がするのは
「守りてぇんだよ!」
って叫ぶだけですからね。それで何かを守れるんだったら俺でも守れるよ。That's easy. ホントにこんな話なのかと思ってシネコンが入ってる本屋で原作探したら、映画化に際して原作が再販してないのね。メディア・ミックスもされてないの。That's lonely.

「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」を観る。

いや〜寒いですね。朝シャワー浴びようと思ったら床からつららが生えてましたよw。しかし、最近の大河ドラマはアレですね。主人公が会いたい人のところにいつでも行けて言いたい放題みたいのが当たり前になっちゃったね。殺陣をカットで割らなきゃできないんだったらあんな重そうな剣使わなきゃいいのにね。もう俺にはね「へうげもの」もあるし、近くのツタヤに「黄金の日々」があったから、こっちを今年の大河として観ていく気満々ですけどね。

年末から正月にかけて何本か映画観ました。シネマリオーネ古川では「はやぶさ 遥かなる帰還」の上映予定のポスターが貼ってましたが、上映前の予告編で流れたのは「おかえり、はやぶさ」でした。ちょっと思うんですけど、たとえそれがどんなに凄い事実であったとしても、無人の探査機が帰ってくるだけの話ってそんなに映画としての面白さありますかね。ヒットした「アポロ13」だって人が乗ってたから面白かったわけだし。4本もあるはやぶさ映画のうち1本ぐらいないですかね。「あのはやぶさには実は人が乗っていた!」みたいな話。

年末は「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」「宇宙人ポール」「リアル・スティール」を観ました。トム・クルーズが車選ぶ時に一番気にするのは外装でも乗り心地でもスピードでもなくエアバッグ!そんな映画でした。自分の中でトム・クルーズと言えば「走っている人」なんですけど、今回も走ってましたね、例のトム走りで。
  (リンク元)
ジョン・ウーめ、俺のせっかくの走りをスローモーにしやがって…コロス!」とか言ってそうなくらい映画の中で走り回っている人ではあります。速いのかどうか知らないけれど、とにかくいつも全力疾走。素晴しいです。トム走りの時代の変遷はこちらでも。

走ってる映画のベストシーンは「LA大捜査線 狼たちの街」です。

「なんで追うんだよ!」「なんで逃げんだよ!」。量より質です。個人的に「009カジノ・ロワイヤル」の冒頭のパルクールチェイスシーンみたいなのは邪道。

有名なのは「ハート・ブルー」のこれ。

犬が…。キアヌも独特の走りをする人ですけど、まだトムには及ばない。 

色々アクション映画の歴史を変えたボーンシリーズより。

このテーマが流れたらとりあえず記憶なくても走れ!シリーズを通して進化する追跡劇。「インファマス」とか観てると、映画のライバルはもはやゲームという気がします。

一見ぼんやりしてるけど凄いことやってる「赤ちゃん泥棒」。

女性からはアンジェリーナ・ジョリーが参戦。重そうなリュック背負ってのラン。手もちゃんと振ってて偉い。

しかし、トムもアンジーも骨に金属でも入ってんじぇねぇのってくらい地面に叩きつけられても平気なんですよね。サプリメントとか好きじゃないですが、彼らが飲んでもものならサプリでもカルシウム入りのオレンジジュースでも飲むよ。

子供も走る!少年野球映画「サンドロット」の犬とのチェイス・シーン。

西部劇風の対決シーンがいい。

やっぱりこの人。この時代に人には勝てないよなぁ。

名作「セブンチャンス」より。呆れるほど速い。

しかし、スカイ・ツリーももう少し早く完成して194メートル高かったらトム・クルーズがぶら下がってたかもしれないですね。浅草の下町をトム・クルーズがひた走る!

まあ、ないね。

ラストは今年最初に観た映画「幕末太陽傳」。佐平次が建物内を中腰で走りまくる!

佐平次みたいにしたたかに走り抜けていきたい2012年であります。

紅白歌合戦のこと。

 今さらですけど、去年の大晦日は家族そろって紅白歌合戦を観てました。ここ3年くらいなぜかちゃんと観てますが、毎年何か物足りなさを感じて元旦にYouTubeで過去の紅白の動画などを探して勝手に「裏紅白」を催したりしてました。今年の紅白は初めに言ってしまうと、結構面白かったです。物足りなくもなく、むしろそのカオスな顔ぶれと明日への希望で押しつぶされそうです。今年トイレのお姉さんが出てなくてほっとしました。おおよそトイレでも磨いてたんでしょう。
Keep rubbing forever!
浜崎あゆみ(13)progress
 この人は未だに河相我聞の彼女というイメージがあります。「ハルシオン・ランチ」でも「こんな時代、こんな時代って、浜崎あゆみか!」と揶揄されてましたが、まさにこんな時代。
時代が彼女に追いついた。そんな感じでしょうか。
こんな時代、どうやって生きていけば良いのか。先輩が教えてくれる。

NYC(3)100%勇気NYC
 男なんだか女なんだかわからない枠。昔にもこんな人がいたよ。

まわる、まわるよ、時代はまわる。
アンジェラ・アキ(6)One Family
 妊娠中で出演のアンジェラさん。紅白の大舞台で自らの歌で胎教中とはお釈迦様でもきづくまい。井上真央が「アンジェラ・アキさん、ありがとうございました。・・・アンジェラさん?ああああ!」みたいな展開を一瞬期待したが。
AKB48(4)紅白2011 AKB48スペシャルMIX〜がんばろう日本!〜
 最初に出演した年のド素人感はすでになく、それなりにスターしての自覚が芽生えたのか気合いが入ってたのは感じた。会場外の票もカウントする時点で今年の白組の勝ちはなさそうだが。
芦田愛菜(初)&鈴木福(初) マル・マル・モリ・モリ
 終始その場にいることが心から嬉しいという満面の笑みを絶やさないプロの仕事を見た。これが愛菜スマイルか。心が一瞬持ってかれそうだったので、東西南北にダコタ・ファニング、ブリジット・フォッセー、二木てるみ大後寿々花を思い浮かべて結界を張る。無駄に可愛いものは見てきてないぜ。
FUNKY MONKEY BABYS(3)それでも信じてる
 ファンキーかなぁ、これ。モンキーなのは確かなのだが。
平井堅(7)いとしき日々よ
 カバー大好き人間の平井堅が今度はこれか!「白虎隊」の主題歌だったしな。白虎隊と言えば福島だしな。時代読んでるぜ。

と思ったら違った。今年の美空ひばりの23回忌のコンサートでも「スターダスト」を歌ってたけど、カバーはしてたけどあれ美空ひばりの歌じゃないんだけどな。意外と読めない人なのかもしれない。
藤あや子(17)あや子のお国自慢だよ〜がんばろな東北!!紅白スペシャル〜
細川たかし(35)ねぶた
猪苗代湖ズ(初)I love you & I need you ふくしま
 全体的に東北を盛りあげようという演出が全国のみなさんを刺激しないか気にしている東北人もいると思いますが、東北ほど他県では震災のニュースやってませんから大丈夫です。これぐらいでちょうどいいんです。どうせ今年だけだし。
森進一(44)港町ブルース
 芦田愛菜とは違った妖気を年々帯びる森進一。何歌ってもうまいなぁ。

昔から上手い人だったんだね。
椎名林檎(初)カーネーション−紅組なら誰でも
 白衣着てた頃はとても紅白に出られる人じゃなかったんだけど、みんなの歌と「カーネーション」の主題歌でNHKへの足がかりがあったとしても、あんなにやわらかな笑顔を振りまける人になっていたとは。うちの親父がめずらしくときめいていたよ。クリスマスに「心がときめく片づけの魔法」を送っといたおかげでときめき力が上がったようだ。片づけ力もあがるといいのだが。
KARA(初)KARA 2011スペシャルメドレー
少女時代(初)GENIE
東方神起(3)Why?(Keep Your Head Down)

 KARAの腰グラインドと少女時代の足演出にお茶の間に一瞬気まずい空気が流れる。韓国勢もたくさん出演するようになりましたね。実際歌もダンスも上手い。でも、先輩がいたからこそ今の彼らもある。

アァ愛を美しいなどとぉぉいつダレが云ったのデスカ〜。
韓国の国民的アジョシ、ヨンピル先輩。そして、メッコール

そして、BOA先輩。どんなにディスって国産を守ったって実力ある人たちは日本で稼いでアメリカに行っちゃうからね。今の内に見といた方がいいと思うよ。
Perfume(4)レーザービーム
 毎年Perfumeのパフォーマンスは歌合戦としては反則っぽい空気を感じてしまうのだけれど、ここまで色んな人たちが集まってくるともう関係ない感じが今年はした。3人ぐらいがちょうどいいよ。48人も覚えられねぇもん。
郷ひろみ(24)GO Smile Japan
 少女時代の後に郷ひろみというのは何を競わせようとしているのか。なんか夢に出てきそうなパフォーマンスだった。いやだなぁ、初夢でアレ見るの。
ゆず(4)Hey和
 北川作の方か。ストレートな歌詞で心に訴えるには彼にはまだ何かが足りない。今年の長渕を見ろ。と言いたい。
倖田來未(7)愛を止めないで
 デパルマばりの360度回転撮影はなんの演出だったんだ。変な大御所感だけ年々感じるのだが。
平原綾香(8)おひさま〜大切なあなたへ
 クラシックに歌詞を付けるのをライフワークにしてるみたいだけど、クラシックがそれを望んでいるかは別だよね。これも同じ。歌の上手さが鼻につくので、過去の上手い人を貼っておく。



歌だけで感動させる人になってください。
千昌夫(16)北国の春
去年、「星影のワルツ」を聴いた衝撃は忘れられない。
冷たい心じゃないんだよ。
レディー・ガガ You and I & Born this way
 すげぇなぁ。司会も「ありがとうございました」じゃなくて何か他に言うことないのかよ。このパフォーマンスに。頼むよ。
小林幸子(33)おんなの酒場
 近年色々惜しいなぁと思う。去年の幸子ロボットも良かったんだけど、それだけなんだよね。シシマイに乗るまでは良かったんだけど、それだけなんだよな。あとは歌を聞くしかないじゃんか(それが目的です)。彼女に何か面白いことを期待してもしょうがないよね。She was born this way.
絢香(5)みんな空の下
 召喚間違ったか。ホントは戻って来て欲しいのは別の人だったんだが。


I want you back!

長渕剛(3)ひとつ
 あまり好きな人じゃなかったんだけど、今年は素直に良かった。あの暗闇を一瞬でもお茶の間に映したのは偉い。言葉の一つ一つが嘘じゃないのが分かる。結局みんな励ますばっかりで怒っているのは長渕だけだったな。
和田アキ子(35)あの鐘を鳴らすのはあなた
 カラオケでこの歌を歌うと結構好きになる。でも毎年はちょっとアレだよね。昔はこんな歌も歌ってたんだ。

嵐(3)2011紅白スペシャルメドレー
 いきなり櫻井君がピアノを弾いたのには驚いた。二宮君も上手いらしいと嵐好きの女子に聞いた。
五木ひろし(41)ふるさと
 これ「ちりとてちん」で歌われてた歌だよね。美空ひばり23回忌コンサートで歌った「哀愁波止場」も凄かった。
松田聖子(16)神田沙也加(初)上を向いて歩こう
 色んな人が歌って何が何だか分からないようになっているけど、オリジナルは音として優れているわけでただ上手く歌っただけだと何にも来るものがないんだよね。

工夫もしてくれ。
氷川きよし(12)情熱のマリアッチ
 何もメッセージがないのがかえって清々しく自分のファンへのサービスが素晴しい。時代に愛された人も貼っておく。

坂本冬美(23)夜桜お七
 去年の「また君に恋してる」は良かった。わかりやすい演歌調の歌になってないところに脱演歌を目指しているのを感じる。
福山雅治(4)家族になろうよ
 またわかりやすいメッセージだな。なれるもんならなってるよと思うのは俺のヒガミか。
松任谷由実(2)(みんなの)春よ、来い
 何か声がヘロヘロでちょっと緊張して聴いていた。こういうところで歌うの久しぶりなのだろうか。一つ思うのはこの曲は連続ドラマ「春よ来い」の主題歌だったのだけれど、「おひさま」を橋田壽賀子先生がどう思ったのだろうか。
EXILE(7)Rising Sun
 shunがいた頃は結構好きだったんだけど、最近はなんだかよくわかりません。「ライジング・サン」と言ったらやっぱりコレだろう。

いま日本がこんな感じだよね。見直されるべき映画かもしれん。紅白には何も関係ないけど。
天童よしみ(16)愛燦燦
 できれば由紀さおりバージョンで聴きたかった。「春よ来い」もそうだけど、ちょっと気が早いよね。励ましつもりなんだろうけど、春が来たって別に状況が変わるわけじゃないし、「愛燦燦」よりもまだ「悲しき口笛」って状況じゃない。故郷に帰りたいけど帰れない人がいっぱいいるなかで郷愁を誘う選曲だったり正直よくわからない。「星影のワルツ」じゃないけど、不本意な別れだけど遠くで幸せを祈るとか、日本には別れを歌ったいい歌がたくさんあるのに。
北島三郎(48)帰ろかな
 故郷のおふくろって…北島三郎の母ちゃんって何歳なんだよ!と野暮な突っ込みとは思うけど。この歳でこの声の張り。先ほどのユーミンはえらい違いだ。若い頃のサブちゃんも貼っておく。

石川さゆり(34)津軽海峡・冬景色
 今年何かでやってた彼女のインタビューを観たが結構サバサバした男らしい人だった。今年「津軽海峡」ということは来年は「天城越え」か。
SMAP(19)SMAP AID 紅白SP
 石川さゆりの後で聴くとその下手さが際立つ。なんでこれがトリなんだろうといつも思う。事務所の関係なんだろうけど、聴く方には関係ないよね。
 審査員では大竹しのぶが天然ぶりを発揮してて可愛かったな。仲間由紀恵松下奈緒が司会だとそれなりに緊張感がありましたが、井上真央は妙に場馴れしていてさすがだなと思いました。最後の泣きもきっとお約束でしょう。今年も色々いい歌が聴けるといいですね。今年もよろしくお願いします。

2011年に観た映画のこと。

 世の中では色々なことが起こってるな。今年観た映画は37本と少ないので、それを観た順番に今年の出来事と一緒に振り返ってみたいと思います。
ソーシャル・ネットワーク」 デヴィッド・フィンチャー (MOVIX仙台)
 今年の元旦に観た。観終わった後、映画を映画館で観ている自分が時代遅れの人間だと言われたような気がして新年早々ブルーな気持ちになった。「卒業の朝」を観た後の後味の悪さを思い出した。その後、Facebookを始めたら大学の友人やアメリカに留学してた頃の友人の現在まで見ることができてすごいと思った。
「相棒-劇場版II- 警視庁占拠!特命係の一番長い夜」 和泉聖治(TOHOシネマズ ららぽーと横浜)
 「相棒」の大ファンである兄貴に連れて行かれた。人生初「相棒」(何だこの響き)。冒頭の重要な事件がいちいちフェイドアウトでつながれているのが気持ち悪いなと思っていたら、後で小西真奈美が映っている場面を無理にカットしているためだとわかってがっかりした。あとミッチーの使い方がMOTTAINAI。
「ザ・タウン」 ベン・アフレック(TOHOシネマズ ららぽーと横浜)
 いまどき時代遅れなくらい渋い犯罪映画だなと思っていたら、アメリカで大ヒットしたと聞いて思わず嫉妬した。「怪物くん」だもんなぁ…日本は。「父の祈りを」の名演で俺が心の中で第二の父と慕っていたピート・ポスルスウェイトの遺作でもあり、最後の作品でこんな非道な悪役でこんな死にざまを見せるなんて本当にすごい人だなと思った。
英国王のスピーチ」 トム・フーパー(TOHOシネマズ ららぽーと横浜)
 予告編が良すぎてかかるたびに泣いていたが本編はそうでもなかったw。めずらしくシネコンが満席に近い状態での鑑賞だったが年齢層が高めだったせいかいびきがちらほら聞こえた。京橋フィルムセンターかよ!いい映画だったけど、町山さんのキラキラの解説を聞いた時点で感動の半分は持ってかれてるんだ。そうなんだ。わかってるんだ。
ヒア アフター」 クリント・イーストウッド(TOHOシネマズ ららぽーと横浜)
 世界各地で起こった不幸な災害や事件で取り残された人々の心の傷にそっと寄り添うような映画だった。もちろん老人特有の感傷的な作品だと笑う人もいるかもしれない。が、自分の生まれ育った町が津波で飲まれていく姿が全世界で放映されているのを観た時、それはこういうことなのかと思った。
 冷たい熱帯魚」 園子温(TOHOシネマズ ららぽーと横浜)
 傑作との評判を聞きながらも何となく苦手な映画だろうなと恐る恐る鑑賞。が、冒頭の絶望的なまでに愛のない奥さんの夕食の準備から目が離せなくって、でんでんにからまれた吹越満のように映画の中に引きずり込まれてしまった。この時点では自分の中の今年の流行語大賞は「透明にしてやる!」だったんだけどな。「ぽぽぽぽーん」がでてくるまでは。今ですか?今は「グルグルグルグル、グルコサミン」。今日の折り込みで。そう考えれば一年は結構長い。

七人の侍」 黒澤明新文芸座
 大地震のちょうど10日後の池袋に新文芸座でかかる黒澤明特集を観に行った。三連休の最後の日なのにもかかわらず、福島の原発事故のニュースのせいか人の出はまばらで、そのどんよりとした曇り空の池袋には終末感が漂いまくっていた。映画の前に仲代達也さんと黒澤明作品でスクリプターを務めた野上照代さんのトークショーがあった。仲代さんもちょうど3月11日から池袋で開催されるはずの演劇「マクベス」が上映中止になり、急きょ出演の運びになったのだけれど、この日の上映作品である「七人の侍」に仲代さんはほんの数秒しか出てないのだ。が、その数秒の演技に一日ダメ出しされたと恨み節を吐いて会場を笑わせた。
 究極のボランティア精神を描いた映画だと思う。その後間もなく仙台への高速バスが増発され、自分の食い量の米と友人に頼まれたマンガ雑誌やたばこのカートンを山ほどバッグに詰め込んで、まるで戦後の闇市から帰って来た人みたいなスタイルで仙台に向かう。若林区の荒浜付近で泥や瓦礫を運びながら、何度もこの映画の事を思い出した。
ファンタスティック Mr.FOX 」 ウェス・アンダーソン横浜ブルク13
 横浜ブルク13は震災後横浜で映画を上映していた数少ない映画の一つだ。ウェス・アンダーソンの映画のキャラクターがアニメになるとこんなにしっくりくるとは思わなんだ。声を担当した俳優のキャスティングが的確でフォックス役のジョージ・クルーニーは役を越えて本人までキュートに思えてきたし、奥さん役のメリル・ストリープの声が色っぽくて良かった。ジブリの人たちにこの感動を伝えたい。
「ザ・ファイター」 デヴィッド・O・ラッセル(109シネマズMM横浜)
 初監督作「アメリカの災難」は当時好きだった女の子と観に行って、鑑賞後二人無言で帰った。セックス・コメディで面白かったのだけど、何を言っても自分の性的な経験値の浅さが露呈するような気がして何も言えなくなってしまったのだ。拝啓、十五の君へ伝えたいことがあるのです。彼女はそんなことはわかっていて付き合ってくれていたのだ。まあ、十五じゃなかったけど。あの監督がこんな骨太の映画を撮るなんてね。今年のベスト映画の一本。
「ランナウェイズ」 フローリア・シジスモンディ(横浜ブルク13
 あの「アイ・アム・サム」のダコタ・ファニングが立派にあんなこともこんなこともやってくれるようになったかと遠い目で鑑賞。あの役一人二役じゃだめだったのかな。ジョーンとの関わりが散漫になるか。でも、そんなのも観たかったかも。日本のファンの描かれ方がすごかった。ある意味誇らしい。
GANTZ: PERFECT ANSWER」 佐藤信介(フォーラム仙台)
 前編で観るのやめときゃよかった。今さら「マトリックス」や「リベリオン」もどきのアクションができるようになりましたとドヤ顔されてもねぇ。「世界侵略:ロサンゼルス決戦」を「GANTZ」の映画化と思うことで我慢するよ。よしよしえらいえらい。
「バレッツ」 リシャール・ベリチネ・ラヴィータ
 この頃は仙台市内唯一上映を再開していたフォーラム仙台と姉妹館チネ・ラヴィータで余震が起こるたびに天井を気にしながら映画を観ていた。観る予定はなかったんだけど、「GANTZ」があまりに酷かったので口直しに何でもいいから観たかった。ジャン・レノが自国のフランスで落ち着いた渋い演技を見せていて久々に惚れ直した。と、思ったのにドラえもん。エンゾを何回汚したら気が済むんだ。頼むよ。
トゥルー・グリット」 ジョエル・コーエンイーサン・コーエンチネ・ラヴィータ
 面白かったんだけど、町山さんの解説を聞くまでピンと来なかった。西部劇は観ている方だと思ってたんだけどな。少しへこむ。ここんとこのコーエン兄弟の映画には全くついて行けてない。
イリュージョニスト」 シルヴァン・ショメ(TOHOシネマズ ららぽーと横浜)
 ジャック・タチの脚本を映画化してどれだけの人に通じるのだろう。台詞を排して語られる芸人たちの末路が切ない。そして、この映画をシネコンで観て誰とこの映画のことを語ればいいのだろう。
男たちの挽歌 A BETTER TOMORROW」 ソン・ヘソン(TOHOシネマズ ららぽーと横浜)
 鑑賞前にこの映画のチュ・ジンモのブロマイドを配られる。いや、カッコいいと思うけど、これでどうしろと。「パイラン」は傑作だし、この監督の映画に対するスタンスは信用しているんだけど、だからこそこの監督の気難しさを「男たちの挽歌」にぶつけたらどんな映画になるかを楽しみにしていたのだけれど、ただ苦手なジャンルをあてがわれて困ってただけだったYo。迷わずキム・ジウンに任せれば良かったのに。
ブラック・スワン」 ダーレン・アロノフスキー横浜ブルク13
 生半可なホラー映画よりも本気で観客を脅かす気合いが感じられ、こちらも本気で怖がることができました。痛みを伴いながらナタリー・ポートマンが生まれ変わる姿を観客も一緒に共有できたラストには泣かされました。今年を代表する作品の一つ。
スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」 エドガー・ライト横浜ブルク13
 「ブラック・スワン」のすぐあとに観ちゃいけなかったね。女がストイックにがんばっているのに野郎どもは一体何やってんだ的な怒りがこみ上げて来て困った。エレン・ペイジとかメアリー・エリザベス・ウィンステッドなど分不相応な相手ばかりと付き合っているマイケル・セラに嫉妬もこみ上げて来て困った。裕木奈江ジュリア・オーモンドをバッシングしてた女たちの気持ちがわかったよ。
マイ・バック・ページ」 山下敦弘(TOHOシネマズ ららぽーと横浜)
 今年の映画のベスト1。ちょうど自分の年齢が登場人物たちの気持ちを自分に置き換えて考えることができる時期だからなのかもしれない。何かを成そうと焦りながらも何もかもままならない感じ。何もないくせにあるふりをして周りの人間を振りまわす迷惑な感じなど、色々観ていて複雑な気持ちにさせられた。「洲崎パラダイス 赤信号」とか川本三郎が好きな映画が的確に使われているのも嬉しい。「映画の昭和雑貨店」シリーズや「君美わしく」などは古い日本映画を観るネタ探しに重宝した。妻夫木君と忽那汐里が「ファイブ・イージー・ピーセス」の感想を言い合うシーンが特に印象的。もう一度観直したい。
ウォール・ストリート」 オリヴァー・ストーン(TOHOシネマズ 川崎)
 「インサイド・ジョブ」と観る順番が逆だったよ。他国の財政にまで手を伸ばし世界経済を混乱させる投資銀行。もちろん開発に金はかかっているだろうけど実体はない金融商品と情報操作で利益を貪り、危機になれば国に泣きボーナスをもらう。それをネットというタダのメディアで反撃するという構図は面白いんだけど、物語の中でそれなりに悪者は罰を受けて観客の溜飲は下がるけど、現実にはそうではないということが「インサイド・ジョブ」で描かれる。
「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」 (109シネマズ川崎)
第一作の冒頭のユダヤ人収容所のシーンのその後から始まり、その後に続くシリーズの設定に至るまでをキューバ危機などの歴史的事件と絡めながら描いていく。もう「AKIRA」の映画化と思ってもいいレベルなんじゃないでしょうか。話を聞くと本家の映画化はダメな感じみたいなんで。敵役のグループが皆EXILEっぽかった。
インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実」 (TOHOシネマズ 川崎)
 始まりはレーガン政権の金融業界への規制が失敗したことから始まり現在に至るまで時間はいくらでもあったはずなのに、どうしてこんな事態になってしまったのか。ギリシャ国民が怠惰だから現在のユーロの通貨危機が起こっているのだと思っている人に観てもらいたい作品。今年のベスト映画の一本。
キッズ・オールライト」 リサ・チョロデンコ (横浜ニューテアトル)
 アネット・ベニングがちゃんとお父さんに見えるのがすごい。息子が親の寝室でゲイ・ポルノを見つけて「なんで男のヤツ観てるの?」と問うと彼女が「女同士のヤツはストレートな人たちがやってるから今ひとつノラない」という答えを聞いて思わず「そうそう!」と思ってしまった。マーク・ラファロは確かに自分勝手な奴だけど、好き勝手に生きている人間の魅力もあって良かったなぁ。とばっちりを受けたメキシコ系のおじさんが可哀そうだった。
ブルーバレンタイン」 デレク・シアンフランス(横浜ニューテアトル)
 この映画のライアン・ゴズリングでダメなら俺なんて一生結婚できんよ。とは言っても、この二人の関係が冷え込むに至る伏線が直接的でなく、親の関係を見ていたりだとか、生き方の価値観の違いだとか間接的に積み重なっているのがリアル。間違ってもクリスマスに観ちゃだめだよ。ブルークリスマスになるよ(それは別の映画です)。
塔の上のラプンツェル」  ネイサン・グレノ &バイロン・ハワード (早稲田松竹
 浅草で農業技術検定3級の試験を受けた後、久しぶりに早稲田松竹に行く。あのゆったりシートに深々と座るとシネコンよりもやっぱり俺はここの方が落ち着くなとしみじみ思った。
 日本語吹替え版での鑑賞だったけど、ミュージカルは日本語で聞くとやはり気恥ずかしい。なんかキャバクラに業界無経験の天真爛漫な女の子が入って来て「ああ何か癒される」とか思っていたら、入店したその日に彼女の彼氏がやって来て彼女を連れ去っていくみたいな、でも「もうこんなとこ来ちゃ駄目だよ」という親心のような気持ちで見送れる、みたいな感じ?って、それ「明日のない空」2巻のエピソードそのまんまだよ!
ヒックとドラゴン」 クリス・サンダース&ディーン・デュボア (早稲田松竹
 これは去年の映画なんだけど、劇場で観たくてかかるの待ってたんだよね。久々にオールタイム・ベスト級の映画を観た。これはアニメーションと言えるのだろうか。とにかく終わりから最後まで泣いてたよ。ラストの足のアレとかね。「グフゥ」って感じ。もう日本の子供はジブリじゃなくてピクサーとかドリーム・ワークスのアニメを見て育てばいいんだよ。
コクリコ坂から」 宮崎吾朗(フォーラム仙台)
 シネマハスラーの「コクリコ坂から」が面白くて何度も聴いてしまう。つい先日テレビで放映された「アリエッティ」もそうだけど、アニメーションでテレビドラマみたいなことやってんだよね。台詞で物語が進行して絵が動かない。キャラクターデザインだけオヤジさんの作品と同じだから動きの悪さが際立ってしまう。俺はジブリ作品の最高傑作は「火垂るの墓」だと思っているので、傷が足りない。もっと傷つけて欲しいよね、こっちを。
「BEAUTIFUL ビューティフル」 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ (チネ・ラヴィータ
 現在のスペインの複雑な状況を死を宣告された男が残される家族のためにもがく姿を通して描くのだけれど、主人公は死者が見えたりとか微妙にそっち系の映画への目配せもあったりして色々複雑でとても一度観ただけじゃ話を上手く整理できない。観終わった後ぐったりしてしまった。この作品を語るのにこの作品単体じゃ足りない気がして「生きる」を借りて観たんだけど、これでもないんだよね。むしろ「ウジシマ君」の世界に近い。今年のベスト映画の一本。
「モールス」 マット・リーヴスチネ・ラヴィータ
 もっとグログロのホラーかと思ってビビりながら観に行ったのだけれど、残酷描写もあるけどちゃんと筋の通った展開だったので何の問題もなく観られた。今住んでいる地域は雪深い土地であまりに親近感がわきすぎて困る。仕事帰りに車に乗ると乗るまで辺りが真っ暗なので、バックシートに誰かがいてもわからないんだよね。あの踏切の下りは恐ろしいまでにリアルな恐怖だ。クロエ・グレース・モレッツは年頃の少年たちのトラウマ女優なんだろうなぁ。俺にとってのジョディ・フォスタージェニファー・ジェイソン・リーみたいなものか。いいなぁ。
「ハウスメイド」 イム・サンス(TOHOシネマズ シャンテ)
 久々に日比谷の0930劇場シャンテで初日に観た。「浮気な家族」のイム・サンスだから間違っても、予告編のようなセクシー映画でないことはわかっていたのだが、チョン・ドヨンには逆らえない。全編を通して観に来ていた韓流ファンと思しきおば様がたがドン引きしていた。正直イ・ジョンジェはどんなにがんばっても悪い人には見えないんだよね。なんでいつものファン・ジョンミンじゃないのか。きっちりとした伏線を張りながらラストまで引っぱって行く話だから、イム・サンスの即興演出のだとドラマ的な盛り上がりが全然積み重なっていかないんですよね。でも、同じ即興演出のマイク・リーの「ヴェラ・ドレイク」のラストなんて凄まじいですからね。これは脚本が色々と機能してないんだと思います。失敗作ではあるかもしれないけど駄作ではないよ。観て良かったシーンもいっぱいあった。これが大ヒットする韓国の客層というのは濃いなぁ。
ツリー・オブ・ライフ」 テレンス・マリックワーナー・マイカル・シネマズ名取)
 冒頭、いきなり恐竜とか出てきたので同じ劇場でやっていた「ライフ ―いのちをつなぐ物語―」と劇場を間違ったのかと思った。ブラッド・ピットが厳格で不器用な父親を好演。こんな役もできるんだなぁと驚いた。子役の自然な演技を引き出すためにカメラを回し続けて、現実の生活に起こる楽しい出来事や小さな事件をたまたま撮りましたというような奇跡のようなシーンの連続に溜息がでた。今年のベスト映画の一本。
「ラスト・ターゲット」 アントン・コルベインチネ・ラヴィータ
 原題は「THE AMERICAN」。近年金がないからしかたなくヨーロッパで撮りました的な作品ではなく、ちゃんと美人が脱ぐのが偉い。ジョージ・クルーニーが何やっている人なのかちゃんとした説明もなく、観客も彼と同じように情報を与えずどこから襲われるのかわからないように疑心暗鬼になっていくような心理状態まで追い詰める。銃の製作依頼の過程で彼の殺し屋としての腕の良さが分かるようになっていたり、近年アクションだけに頼らない演出が渋い。
「探偵はBARにいる」 橋本一(MOVIX仙台)
 姉さん、事件です。高嶋政伸が凄いことになってます。大泉洋主演なのでコメディなのかと思ったらしっかりとしたハードボイルド探偵映画だった。探偵じゃないけどその助手で松田龍平がでてるのもなんか感慨深いものがある。綺麗な小雪をちゃんと綺麗に撮るのというのは実はちゃんとキャラクターに肉付けしなければならないので難しいのだ。アクションシーンのキレもいいし、面白かった。西田敏行は出過ぎだな。あれが逆に三國連太郎だったら良かったのに。(なぜ釣りバカつながり)
世界侵略:ロサンゼルス決戦」 ジョナサン・リーベスマン(MOVIX仙台)
 完全現場対応型SF侵略映画。臨場感があって面白かった。エイリアンの弾が当たらな過ぎなんだけど、今リアルにするとどこまでもリアルにできすぎるから、映画的なドラマとのバランスのとり方難しいんだろうな。一昔前ならアメリカ万歳映画で片づけられてたんだろうけど、死ぬような状況でも仕事を優先しなければならないような人たちの映画として観るとかなりぐっと来るものがあった。
モテキ」 根元仁(MOVIX仙台)
 原作は持ってるけどドラマは未見。映画のキャスト級の女優陣を持ってきてればドラマも観たんだけどな。そもそも原作者が女性キャラクターに肩入れし過ぎて主人公のドラマをほっぽってしまっているので主人公に魅力がないのはしょうがないのかもしれない。けど、幸世を断罪できるほど俺も偉い人間じゃないからな。麻生久美子に「るみ子さんとは、無理」とか言ってるときは「ライジング・サン」のショーン・コネリーのように「フシャケルナ!」と思いましたけど。朝起きたら仲里衣沙の胸に手を置いていたとかなかなかいいもん観れたので満足です。
猿の惑星:創世記ジェネシス)」 ルパート・ワイアット(シネマ・リオーネ古川)
 猿がカッコ良すぎて痺れました。昔仕事先に「コーネリアス」って呼ばれてる人がいて先輩に「なんでコーネリアスなんですか」と聞いたら、『「猿の惑星」に出てるキャラに似てるから』と酷いこといってましたが、出てましたね。コーネリアス。猿以外ではジョン・リスゴー認知症のお父さん役で出ていて、「なんでも治せると思うな、これでいいんだ」というような彼のうなずきにはホント号泣してた。今年の映画ベスト2だな。
「一命」 三池崇史(シネマ・リオーネ古川)
いい映画だったけどコケたらしいですね。それはやはりオリジナルの結末を変えたからでしょう。観客としてはいい話としてのオチよりは大殺陣を期待してたと思うんですよ。これだけ世の中理不尽な出来事が横行するなかで、これだけ踏みにじられた人が復讐する権利を放棄するような映画は感情的に理解されないと思う。たった一人の命を弄んだために大勢の人間が死ぬことになり、全てが終わった後に残る何も無さ。ここまでちゃんとリメイクしてほしかったね。
マネーボール」 デビッド・ミラー(シネマ・リオーネ古川)
今年のベスト映画の一本。ホント劇場で観て欲しい。
「コンティジョン」 スティーブン・ソダーバーグ(シネマ・リオーネ古川)
この前、BSで「アウト・オブ・サイト」を観た。スティーブン・ソダーバーグは上手いだけじゃなくて、ユーモアのセンスもあるし、登場人物も色っぽく撮れるのに、こんなに大御所感がないんだろう。あまり上手く機能してなかった「オーシャンズ」シリーズの豪華キャストも今回の映画には上手く活かされたような気がする。

Washさんの「スポーツ映画ベスト10」の結果も出ましたね。自分の出した作品はあまりランキングに入らなかったけど、自分の好きな映画が色々あがっててよかった。来年は観たい作品が劇場ではかからないかもしれないけど、がんばって足を運びたいです。がんばれ日本、がんばれシネマリオーネ古川。

ではでは。