「聯合艦隊司令長官 山本五十六」を観る。

栗原市のうちの辺りは気温マイナス10度を下回る日が何度かあって、毛布かけてても水道凍るし、雪は積もるし。すいません、雪国ナメてました。

仙台に2度ほど出張してました。今週もあります。その合間にフォーラム仙台でマイク・リーの新作「家族の庭」、Movix仙台で「聯合艦隊司令長官 山本五十六」を観てきました。「マイウェイ」「ロボジー」あたりも観ておきたい。「ワイルド7」は色んな意味でカワイイ映画でしたよ。

マイク・リーの映画は美男美女は絶対出てこないし、その手の要素を求める人にはまず観られない映画だけど、この人の映画でしか味わえない複雑な感情や観終わった後の不思議な感覚は結構クセになるものがあって、少なくても俺はそうなんですけど、今回の映画も予告編も前情報もなく映画館に行ったんですが、「今日もスゲーいい修羅場が入荷しましたぜ、奥さん」的な秋編がお勧めです。

こんな映画じゃないんですよ。レスリー・マンヴィルという女優さんのダメさが凄くリアル。くさか里樹の「ヘルプマン」のシングル編に匹敵するものがあるね。観ていて気が滅入る人たちがたくさん出てきて観終わった後心底疲れるけど、みんな気軽に観に来てね。

ヘルプマン!(16) (イブニングKC)

ヘルプマン!(16) (イブニングKC)



三船敏郎版「五十六」のダイジェスト版。これだけ先見の明がある人が常に受け身で時流に流されていくのかが三船さんが立派に演じれば演じるほどしっくりこないのですが、役所版「五十六」はマスコミに先導されていると言え国民がそれを望んだんだよとはっきり指摘します。三船さんの頃には言えなかったんだろうね。

父と観に行きましたが公開から結構たってるのに人入ってましたね。年齢層は若干高めでした。玉木宏のキャスティングなどで若い人にも観てもらいたいんでしょうけど、やはり高齢層の答え合わせになってるっぽい。

ここのところ難しい顔ばかりしてた役所広司でしたが、予告編の硬そーなイメージとは裏腹に終始柔らかい笑顔を見せながらモノを食べたり将棋さしてたりして良かったですね。海軍大臣を演じた柄本明が気の抜けた登場をした瞬間笑っちゃったですもん。この二人は監督の成島出の初監督作「油断大敵」でいいコンビだったのを思い出しました。登場する食べ物が美味そうでね。しかも、みんな美味そうに食うんだ。あの「水まんじゅう」は食べてみたいですね。酒まんじゅうを氷水に浸して砂糖ぶっかけて食べるのか五十六風らしい。

映画の雰囲気としては海軍を深く愛した松林宗恵監督作品に通じるものがありました。上のはミッドウェイ海戦を描いた「太平洋の嵐」。今回阿部寛が演じた山口多聞をまた三船さんが演じてます。ヤマトタケルから明治天皇まで偉い人はだいたい演じてる。役所版「五十六」ではどうやったら戦争が避けられたのかということは描いてなくて、むしろ景気が悪くなり世の中に閉塞感が出て来ると、みんなわかりやすい方向に流れやすいから、きちんと知識とデータの裏付けのもとに判断を下していきましょう、戻れなくなる前に。ということだと思います。「泥臭く」とか「TPPお化け」とか「日本を一から作り直す」とかよく分からない言葉につられないように生きて行きたいです。

109シネマズ富谷で「ワイルド7」を観ました。予告編の「ドラゴンタトゥーの女」の音響がほかの劇場と全然違った。これはここで観たいな。原作は読んでないんですが「ワイルド7」というぐらいだからメンバーはみんなワイルドなのかと思ったら、みんなカワイイ系なんですよね。俺が「明日からワイルドになってください」って依頼されたらものすごく悩むけどね。「ブラックスワン」でナタリー・ポートマンが「セクシーになれ」って言われてあんなに苦しんだのに、こいつら一ミリも悩んだ形跡がないんだよね。唯一強面の宇梶さんは実際凄い経歴の人みたいですが、クビに赤いの巻いてると、

を連想させるし。That's Cawaii. 起こるシチュエーションがバイクで任務に当たるのに危険&効率悪いことばっかりで、終盤機動隊が待ち受ける中トラックで突っ込むという場面も「ああ、ガントレットか」と期待してたら自分たちのトラックを自分たちでハチの巣にしてたからね。That's sorry. 仲間を犠牲にして黒幕の前に立ちふさがった瑛太がするのは
「守りてぇんだよ!」
って叫ぶだけですからね。それで何かを守れるんだったら俺でも守れるよ。That's easy. ホントにこんな話なのかと思ってシネコンが入ってる本屋で原作探したら、映画化に際して原作が再販してないのね。メディア・ミックスもされてないの。That's lonely.