ホイットニー・ヒューストンのこと。

ホイットニー・ヒューストンのアルバムで最初に聴いたのは「I'm Your Baby Tonight」だった。本当は「I Wanna Dance With Somebody」を聴きたかったのだけれど、当時はネットもなく曲名も知らなかったから聴きたい歌を見つけるまでアルバムを探すしかなかったんだよな。

その後彼女がボビー・ブラウンと結婚したのを知って、ガキながらに「釣り合わないカップルだなぁ」と思ったものだった。アメリカのコント番組「In Living Color」でジェイミー・フォックスが赤ん坊を抱えたホイットニーに扮して(女装して変な女を演じるのが彼の持ちネタだった)、遊びに行こうとする旦那に「It's Your Baby Tonight!」(今夜の小守はあんたよ!)と「I'm Your Baby Tonight」のパロディをやっていたのを見て「ホントにこんな感じかもしれない」と思ったものだ。ネットで検索しても出てこないぜ。このコント傑作だったんだけどな。
映画「ボディガード」はホイットニー・ヒューストンのパフォーマンスが「この人は殺しても死ぬのだろうか」と思わせるほど凄すぎて映画としての緊張感がぶち壊しになっていて、歌が上手すぎるのも問題だなと思ったもんだ。どこに行ってもこの歌が流れていた。歌が上手い人はゲストで出て来るくらいがちょうど良いのだ。自分が主演で歌が上手すぎるとどんな人でも多少鼻につく。だから、「天使の贈り物」は観る気がしなかった。今なら観れるかもしれない。
「ため息をつかせて」はなかなか硬派な女性映画で、彼女が主演でなかったので観に行った。彼女は男を平気で捨てるクールな女を演じていたが、夫の浮気と暴力に悩まされるアンジェラ・バセット演じる役の方にダブって仕方がなかった。この映画のサントラに入ってるメアリーJ・ブライジが歌う「Not Gon'Cry」の方が彼女が歌っている主題歌「Exhale」よりも印象に残るのだ。

この映画のアンジェラのように強く振る舞えたら良かったのにと思う。

今見かえしてみると笑顔の素敵な人だったと感じるのは亡くなったからなんだろう。
You shouldn't have loved us all the time. It made you tired.