カーネーション最終回のこと。

今週の「カーネーション」を今日連続で一気に観た。終わりに向けて少しはパワーダウンするのかと思っていたが、今週が番組観始めてから一番泣いたんじゃないだろうか。実質尾野真千子が出てる「カーネーション」は最終回ということだしね。そりゃ、一番クライマックスになるところだよね。夏木マリが出て来るということになると麻生祐未も退場になるということだとは思っていたがああいう描き方だとは思わなかった。小林薫もめずらしく(写真)って書いてなかったから何だろうとは思っていたが…。あと一ヶ月夏木マリと過ごせるのか心配だったが、登場した瞬間爆笑してしまった。このドラマのキャストの切り替わりの鮮やかさはいつも見事。しかし、この尾野真千子を明日から観られないということの喪失感は何なんだろう。彼女を求めて嫌いな河瀬直美監督作にまで手を出すほどフラフラとツタヤをさまようのだろう、きっと。

仕事の初出勤でオンエアを観られない「おひさま」の最終回を録るために買ったブルーレイ・レコーダーはまさに「カーネーション」のために稼働することになった。正直なところ「おひさま」後の次回朝ドラの予告を観た時は「何だこのジャガイモみたいなヒロインは」(俺じゃなくてほっしゃん。が言ったんスよ!)と思ったんだけど、第一回の子供時代の糸子と少女時代の糸子が歌うオープニングで心を持っていかれ、主題歌が椎名林檎で脚本が渡辺あやと出た瞬間に「これはヤバい」と思った。カーネーション花言葉は「母の愛」だそうですけど、これは糸子からだけじゃなくて、糸子の母千代、千代の母貞子と善作の母ハルから続く愛情なんだなと土曜の放送を観て思った。善作の心の内が明かされることはなかったんだけど、糸子が親の歳になって善作の気持ちが糸子の気持ちで観ている視聴者に直接分かるようになっていたり、これからはハルや千代の気持ちが夏木マリの糸子を通じてこちらに伝わってくるのだろうか。

俺だけじゃなくて俺の親も兄も「カーネーション」にハマってて、うちの親は「どんど晴れ」も「てっぱん」も面白いと観てしまうので彼らの「面白い」は今ひとつ信用できないんだけど、今回はちょっと様子が違う。観られない回があると俺に録画を見せるようにねだるし、このまえ実家で立ちながら観ていたら後ろから「アンタ!そこにいたら見えないでしょ!」とトイレの扉を少し開けながら観ている母の姿があった。Well, Now You can see what you want. But Now I can see the thing I don't want to see too.
兄もね、
俺 「いやー、しかし優子演じてるのが新山千春だって気づかなかったよ」
兄 「そうそう。…えぇぇ!
俺 「しかも三女演じてるの安田美沙子でしょ。グラビアじゃなくて動いてる彼女初めて見たよ」
兄 「そうそう。…えぇぇ!
どうやらオープニングはスキップで飛ばすらしい。人の話ちゃんと聞けよ。

そう言えば2月16日に淡島千景さんが亡くなってたらしいですね。俺にとってみたらホイットニー・ヒューストンを追悼してる場合じゃないよ。でも、ニュースの扱いはホイットニーの方が大きかったよね。日本の映画スターの扱いってなんでいつもこう小さいんだろうね。俺はこの人が今の尾野真千子に対して感じるような気持ちで好きな女優さんで、亡くなられたと聞いて本当にへこんだ。「夫婦善哉」が有名だけど「もず」「にごりえ」「鰯雲」「日本橋」とか上手くて綺麗でコメディセンスも抜群で、お年を召してからも「夏の庭」とかに出てるのを観て「すげえなぁ」とか思ってたんですが、週刊新潮橋田壽賀子が彼女の生活費のために「渡る世間」で彼女のための役を作ったという話を読んで本当に悲しくなった。