2011年に観た映画のこと。

 世の中では色々なことが起こってるな。今年観た映画は37本と少ないので、それを観た順番に今年の出来事と一緒に振り返ってみたいと思います。
ソーシャル・ネットワーク」 デヴィッド・フィンチャー (MOVIX仙台)
 今年の元旦に観た。観終わった後、映画を映画館で観ている自分が時代遅れの人間だと言われたような気がして新年早々ブルーな気持ちになった。「卒業の朝」を観た後の後味の悪さを思い出した。その後、Facebookを始めたら大学の友人やアメリカに留学してた頃の友人の現在まで見ることができてすごいと思った。
「相棒-劇場版II- 警視庁占拠!特命係の一番長い夜」 和泉聖治(TOHOシネマズ ららぽーと横浜)
 「相棒」の大ファンである兄貴に連れて行かれた。人生初「相棒」(何だこの響き)。冒頭の重要な事件がいちいちフェイドアウトでつながれているのが気持ち悪いなと思っていたら、後で小西真奈美が映っている場面を無理にカットしているためだとわかってがっかりした。あとミッチーの使い方がMOTTAINAI。
「ザ・タウン」 ベン・アフレック(TOHOシネマズ ららぽーと横浜)
 いまどき時代遅れなくらい渋い犯罪映画だなと思っていたら、アメリカで大ヒットしたと聞いて思わず嫉妬した。「怪物くん」だもんなぁ…日本は。「父の祈りを」の名演で俺が心の中で第二の父と慕っていたピート・ポスルスウェイトの遺作でもあり、最後の作品でこんな非道な悪役でこんな死にざまを見せるなんて本当にすごい人だなと思った。
英国王のスピーチ」 トム・フーパー(TOHOシネマズ ららぽーと横浜)
 予告編が良すぎてかかるたびに泣いていたが本編はそうでもなかったw。めずらしくシネコンが満席に近い状態での鑑賞だったが年齢層が高めだったせいかいびきがちらほら聞こえた。京橋フィルムセンターかよ!いい映画だったけど、町山さんのキラキラの解説を聞いた時点で感動の半分は持ってかれてるんだ。そうなんだ。わかってるんだ。
ヒア アフター」 クリント・イーストウッド(TOHOシネマズ ららぽーと横浜)
 世界各地で起こった不幸な災害や事件で取り残された人々の心の傷にそっと寄り添うような映画だった。もちろん老人特有の感傷的な作品だと笑う人もいるかもしれない。が、自分の生まれ育った町が津波で飲まれていく姿が全世界で放映されているのを観た時、それはこういうことなのかと思った。
 冷たい熱帯魚」 園子温(TOHOシネマズ ららぽーと横浜)
 傑作との評判を聞きながらも何となく苦手な映画だろうなと恐る恐る鑑賞。が、冒頭の絶望的なまでに愛のない奥さんの夕食の準備から目が離せなくって、でんでんにからまれた吹越満のように映画の中に引きずり込まれてしまった。この時点では自分の中の今年の流行語大賞は「透明にしてやる!」だったんだけどな。「ぽぽぽぽーん」がでてくるまでは。今ですか?今は「グルグルグルグル、グルコサミン」。今日の折り込みで。そう考えれば一年は結構長い。

七人の侍」 黒澤明新文芸座
 大地震のちょうど10日後の池袋に新文芸座でかかる黒澤明特集を観に行った。三連休の最後の日なのにもかかわらず、福島の原発事故のニュースのせいか人の出はまばらで、そのどんよりとした曇り空の池袋には終末感が漂いまくっていた。映画の前に仲代達也さんと黒澤明作品でスクリプターを務めた野上照代さんのトークショーがあった。仲代さんもちょうど3月11日から池袋で開催されるはずの演劇「マクベス」が上映中止になり、急きょ出演の運びになったのだけれど、この日の上映作品である「七人の侍」に仲代さんはほんの数秒しか出てないのだ。が、その数秒の演技に一日ダメ出しされたと恨み節を吐いて会場を笑わせた。
 究極のボランティア精神を描いた映画だと思う。その後間もなく仙台への高速バスが増発され、自分の食い量の米と友人に頼まれたマンガ雑誌やたばこのカートンを山ほどバッグに詰め込んで、まるで戦後の闇市から帰って来た人みたいなスタイルで仙台に向かう。若林区の荒浜付近で泥や瓦礫を運びながら、何度もこの映画の事を思い出した。
ファンタスティック Mr.FOX 」 ウェス・アンダーソン横浜ブルク13
 横浜ブルク13は震災後横浜で映画を上映していた数少ない映画の一つだ。ウェス・アンダーソンの映画のキャラクターがアニメになるとこんなにしっくりくるとは思わなんだ。声を担当した俳優のキャスティングが的確でフォックス役のジョージ・クルーニーは役を越えて本人までキュートに思えてきたし、奥さん役のメリル・ストリープの声が色っぽくて良かった。ジブリの人たちにこの感動を伝えたい。
「ザ・ファイター」 デヴィッド・O・ラッセル(109シネマズMM横浜)
 初監督作「アメリカの災難」は当時好きだった女の子と観に行って、鑑賞後二人無言で帰った。セックス・コメディで面白かったのだけど、何を言っても自分の性的な経験値の浅さが露呈するような気がして何も言えなくなってしまったのだ。拝啓、十五の君へ伝えたいことがあるのです。彼女はそんなことはわかっていて付き合ってくれていたのだ。まあ、十五じゃなかったけど。あの監督がこんな骨太の映画を撮るなんてね。今年のベスト映画の一本。
「ランナウェイズ」 フローリア・シジスモンディ(横浜ブルク13
 あの「アイ・アム・サム」のダコタ・ファニングが立派にあんなこともこんなこともやってくれるようになったかと遠い目で鑑賞。あの役一人二役じゃだめだったのかな。ジョーンとの関わりが散漫になるか。でも、そんなのも観たかったかも。日本のファンの描かれ方がすごかった。ある意味誇らしい。
GANTZ: PERFECT ANSWER」 佐藤信介(フォーラム仙台)
 前編で観るのやめときゃよかった。今さら「マトリックス」や「リベリオン」もどきのアクションができるようになりましたとドヤ顔されてもねぇ。「世界侵略:ロサンゼルス決戦」を「GANTZ」の映画化と思うことで我慢するよ。よしよしえらいえらい。
「バレッツ」 リシャール・ベリチネ・ラヴィータ
 この頃は仙台市内唯一上映を再開していたフォーラム仙台と姉妹館チネ・ラヴィータで余震が起こるたびに天井を気にしながら映画を観ていた。観る予定はなかったんだけど、「GANTZ」があまりに酷かったので口直しに何でもいいから観たかった。ジャン・レノが自国のフランスで落ち着いた渋い演技を見せていて久々に惚れ直した。と、思ったのにドラえもん。エンゾを何回汚したら気が済むんだ。頼むよ。
トゥルー・グリット」 ジョエル・コーエンイーサン・コーエンチネ・ラヴィータ
 面白かったんだけど、町山さんの解説を聞くまでピンと来なかった。西部劇は観ている方だと思ってたんだけどな。少しへこむ。ここんとこのコーエン兄弟の映画には全くついて行けてない。
イリュージョニスト」 シルヴァン・ショメ(TOHOシネマズ ららぽーと横浜)
 ジャック・タチの脚本を映画化してどれだけの人に通じるのだろう。台詞を排して語られる芸人たちの末路が切ない。そして、この映画をシネコンで観て誰とこの映画のことを語ればいいのだろう。
男たちの挽歌 A BETTER TOMORROW」 ソン・ヘソン(TOHOシネマズ ららぽーと横浜)
 鑑賞前にこの映画のチュ・ジンモのブロマイドを配られる。いや、カッコいいと思うけど、これでどうしろと。「パイラン」は傑作だし、この監督の映画に対するスタンスは信用しているんだけど、だからこそこの監督の気難しさを「男たちの挽歌」にぶつけたらどんな映画になるかを楽しみにしていたのだけれど、ただ苦手なジャンルをあてがわれて困ってただけだったYo。迷わずキム・ジウンに任せれば良かったのに。
ブラック・スワン」 ダーレン・アロノフスキー横浜ブルク13
 生半可なホラー映画よりも本気で観客を脅かす気合いが感じられ、こちらも本気で怖がることができました。痛みを伴いながらナタリー・ポートマンが生まれ変わる姿を観客も一緒に共有できたラストには泣かされました。今年を代表する作品の一つ。
スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」 エドガー・ライト横浜ブルク13
 「ブラック・スワン」のすぐあとに観ちゃいけなかったね。女がストイックにがんばっているのに野郎どもは一体何やってんだ的な怒りがこみ上げて来て困った。エレン・ペイジとかメアリー・エリザベス・ウィンステッドなど分不相応な相手ばかりと付き合っているマイケル・セラに嫉妬もこみ上げて来て困った。裕木奈江ジュリア・オーモンドをバッシングしてた女たちの気持ちがわかったよ。
マイ・バック・ページ」 山下敦弘(TOHOシネマズ ららぽーと横浜)
 今年の映画のベスト1。ちょうど自分の年齢が登場人物たちの気持ちを自分に置き換えて考えることができる時期だからなのかもしれない。何かを成そうと焦りながらも何もかもままならない感じ。何もないくせにあるふりをして周りの人間を振りまわす迷惑な感じなど、色々観ていて複雑な気持ちにさせられた。「洲崎パラダイス 赤信号」とか川本三郎が好きな映画が的確に使われているのも嬉しい。「映画の昭和雑貨店」シリーズや「君美わしく」などは古い日本映画を観るネタ探しに重宝した。妻夫木君と忽那汐里が「ファイブ・イージー・ピーセス」の感想を言い合うシーンが特に印象的。もう一度観直したい。
ウォール・ストリート」 オリヴァー・ストーン(TOHOシネマズ 川崎)
 「インサイド・ジョブ」と観る順番が逆だったよ。他国の財政にまで手を伸ばし世界経済を混乱させる投資銀行。もちろん開発に金はかかっているだろうけど実体はない金融商品と情報操作で利益を貪り、危機になれば国に泣きボーナスをもらう。それをネットというタダのメディアで反撃するという構図は面白いんだけど、物語の中でそれなりに悪者は罰を受けて観客の溜飲は下がるけど、現実にはそうではないということが「インサイド・ジョブ」で描かれる。
「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」 (109シネマズ川崎)
第一作の冒頭のユダヤ人収容所のシーンのその後から始まり、その後に続くシリーズの設定に至るまでをキューバ危機などの歴史的事件と絡めながら描いていく。もう「AKIRA」の映画化と思ってもいいレベルなんじゃないでしょうか。話を聞くと本家の映画化はダメな感じみたいなんで。敵役のグループが皆EXILEっぽかった。
インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実」 (TOHOシネマズ 川崎)
 始まりはレーガン政権の金融業界への規制が失敗したことから始まり現在に至るまで時間はいくらでもあったはずなのに、どうしてこんな事態になってしまったのか。ギリシャ国民が怠惰だから現在のユーロの通貨危機が起こっているのだと思っている人に観てもらいたい作品。今年のベスト映画の一本。
キッズ・オールライト」 リサ・チョロデンコ (横浜ニューテアトル)
 アネット・ベニングがちゃんとお父さんに見えるのがすごい。息子が親の寝室でゲイ・ポルノを見つけて「なんで男のヤツ観てるの?」と問うと彼女が「女同士のヤツはストレートな人たちがやってるから今ひとつノラない」という答えを聞いて思わず「そうそう!」と思ってしまった。マーク・ラファロは確かに自分勝手な奴だけど、好き勝手に生きている人間の魅力もあって良かったなぁ。とばっちりを受けたメキシコ系のおじさんが可哀そうだった。
ブルーバレンタイン」 デレク・シアンフランス(横浜ニューテアトル)
 この映画のライアン・ゴズリングでダメなら俺なんて一生結婚できんよ。とは言っても、この二人の関係が冷え込むに至る伏線が直接的でなく、親の関係を見ていたりだとか、生き方の価値観の違いだとか間接的に積み重なっているのがリアル。間違ってもクリスマスに観ちゃだめだよ。ブルークリスマスになるよ(それは別の映画です)。
塔の上のラプンツェル」  ネイサン・グレノ &バイロン・ハワード (早稲田松竹
 浅草で農業技術検定3級の試験を受けた後、久しぶりに早稲田松竹に行く。あのゆったりシートに深々と座るとシネコンよりもやっぱり俺はここの方が落ち着くなとしみじみ思った。
 日本語吹替え版での鑑賞だったけど、ミュージカルは日本語で聞くとやはり気恥ずかしい。なんかキャバクラに業界無経験の天真爛漫な女の子が入って来て「ああ何か癒される」とか思っていたら、入店したその日に彼女の彼氏がやって来て彼女を連れ去っていくみたいな、でも「もうこんなとこ来ちゃ駄目だよ」という親心のような気持ちで見送れる、みたいな感じ?って、それ「明日のない空」2巻のエピソードそのまんまだよ!
ヒックとドラゴン」 クリス・サンダース&ディーン・デュボア (早稲田松竹
 これは去年の映画なんだけど、劇場で観たくてかかるの待ってたんだよね。久々にオールタイム・ベスト級の映画を観た。これはアニメーションと言えるのだろうか。とにかく終わりから最後まで泣いてたよ。ラストの足のアレとかね。「グフゥ」って感じ。もう日本の子供はジブリじゃなくてピクサーとかドリーム・ワークスのアニメを見て育てばいいんだよ。
コクリコ坂から」 宮崎吾朗(フォーラム仙台)
 シネマハスラーの「コクリコ坂から」が面白くて何度も聴いてしまう。つい先日テレビで放映された「アリエッティ」もそうだけど、アニメーションでテレビドラマみたいなことやってんだよね。台詞で物語が進行して絵が動かない。キャラクターデザインだけオヤジさんの作品と同じだから動きの悪さが際立ってしまう。俺はジブリ作品の最高傑作は「火垂るの墓」だと思っているので、傷が足りない。もっと傷つけて欲しいよね、こっちを。
「BEAUTIFUL ビューティフル」 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ (チネ・ラヴィータ
 現在のスペインの複雑な状況を死を宣告された男が残される家族のためにもがく姿を通して描くのだけれど、主人公は死者が見えたりとか微妙にそっち系の映画への目配せもあったりして色々複雑でとても一度観ただけじゃ話を上手く整理できない。観終わった後ぐったりしてしまった。この作品を語るのにこの作品単体じゃ足りない気がして「生きる」を借りて観たんだけど、これでもないんだよね。むしろ「ウジシマ君」の世界に近い。今年のベスト映画の一本。
「モールス」 マット・リーヴスチネ・ラヴィータ
 もっとグログロのホラーかと思ってビビりながら観に行ったのだけれど、残酷描写もあるけどちゃんと筋の通った展開だったので何の問題もなく観られた。今住んでいる地域は雪深い土地であまりに親近感がわきすぎて困る。仕事帰りに車に乗ると乗るまで辺りが真っ暗なので、バックシートに誰かがいてもわからないんだよね。あの踏切の下りは恐ろしいまでにリアルな恐怖だ。クロエ・グレース・モレッツは年頃の少年たちのトラウマ女優なんだろうなぁ。俺にとってのジョディ・フォスタージェニファー・ジェイソン・リーみたいなものか。いいなぁ。
「ハウスメイド」 イム・サンス(TOHOシネマズ シャンテ)
 久々に日比谷の0930劇場シャンテで初日に観た。「浮気な家族」のイム・サンスだから間違っても、予告編のようなセクシー映画でないことはわかっていたのだが、チョン・ドヨンには逆らえない。全編を通して観に来ていた韓流ファンと思しきおば様がたがドン引きしていた。正直イ・ジョンジェはどんなにがんばっても悪い人には見えないんだよね。なんでいつものファン・ジョンミンじゃないのか。きっちりとした伏線を張りながらラストまで引っぱって行く話だから、イム・サンスの即興演出のだとドラマ的な盛り上がりが全然積み重なっていかないんですよね。でも、同じ即興演出のマイク・リーの「ヴェラ・ドレイク」のラストなんて凄まじいですからね。これは脚本が色々と機能してないんだと思います。失敗作ではあるかもしれないけど駄作ではないよ。観て良かったシーンもいっぱいあった。これが大ヒットする韓国の客層というのは濃いなぁ。
ツリー・オブ・ライフ」 テレンス・マリックワーナー・マイカル・シネマズ名取)
 冒頭、いきなり恐竜とか出てきたので同じ劇場でやっていた「ライフ ―いのちをつなぐ物語―」と劇場を間違ったのかと思った。ブラッド・ピットが厳格で不器用な父親を好演。こんな役もできるんだなぁと驚いた。子役の自然な演技を引き出すためにカメラを回し続けて、現実の生活に起こる楽しい出来事や小さな事件をたまたま撮りましたというような奇跡のようなシーンの連続に溜息がでた。今年のベスト映画の一本。
「ラスト・ターゲット」 アントン・コルベインチネ・ラヴィータ
 原題は「THE AMERICAN」。近年金がないからしかたなくヨーロッパで撮りました的な作品ではなく、ちゃんと美人が脱ぐのが偉い。ジョージ・クルーニーが何やっている人なのかちゃんとした説明もなく、観客も彼と同じように情報を与えずどこから襲われるのかわからないように疑心暗鬼になっていくような心理状態まで追い詰める。銃の製作依頼の過程で彼の殺し屋としての腕の良さが分かるようになっていたり、近年アクションだけに頼らない演出が渋い。
「探偵はBARにいる」 橋本一(MOVIX仙台)
 姉さん、事件です。高嶋政伸が凄いことになってます。大泉洋主演なのでコメディなのかと思ったらしっかりとしたハードボイルド探偵映画だった。探偵じゃないけどその助手で松田龍平がでてるのもなんか感慨深いものがある。綺麗な小雪をちゃんと綺麗に撮るのというのは実はちゃんとキャラクターに肉付けしなければならないので難しいのだ。アクションシーンのキレもいいし、面白かった。西田敏行は出過ぎだな。あれが逆に三國連太郎だったら良かったのに。(なぜ釣りバカつながり)
世界侵略:ロサンゼルス決戦」 ジョナサン・リーベスマン(MOVIX仙台)
 完全現場対応型SF侵略映画。臨場感があって面白かった。エイリアンの弾が当たらな過ぎなんだけど、今リアルにするとどこまでもリアルにできすぎるから、映画的なドラマとのバランスのとり方難しいんだろうな。一昔前ならアメリカ万歳映画で片づけられてたんだろうけど、死ぬような状況でも仕事を優先しなければならないような人たちの映画として観るとかなりぐっと来るものがあった。
モテキ」 根元仁(MOVIX仙台)
 原作は持ってるけどドラマは未見。映画のキャスト級の女優陣を持ってきてればドラマも観たんだけどな。そもそも原作者が女性キャラクターに肩入れし過ぎて主人公のドラマをほっぽってしまっているので主人公に魅力がないのはしょうがないのかもしれない。けど、幸世を断罪できるほど俺も偉い人間じゃないからな。麻生久美子に「るみ子さんとは、無理」とか言ってるときは「ライジング・サン」のショーン・コネリーのように「フシャケルナ!」と思いましたけど。朝起きたら仲里衣沙の胸に手を置いていたとかなかなかいいもん観れたので満足です。
猿の惑星:創世記ジェネシス)」 ルパート・ワイアット(シネマ・リオーネ古川)
 猿がカッコ良すぎて痺れました。昔仕事先に「コーネリアス」って呼ばれてる人がいて先輩に「なんでコーネリアスなんですか」と聞いたら、『「猿の惑星」に出てるキャラに似てるから』と酷いこといってましたが、出てましたね。コーネリアス。猿以外ではジョン・リスゴー認知症のお父さん役で出ていて、「なんでも治せると思うな、これでいいんだ」というような彼のうなずきにはホント号泣してた。今年の映画ベスト2だな。
「一命」 三池崇史(シネマ・リオーネ古川)
いい映画だったけどコケたらしいですね。それはやはりオリジナルの結末を変えたからでしょう。観客としてはいい話としてのオチよりは大殺陣を期待してたと思うんですよ。これだけ世の中理不尽な出来事が横行するなかで、これだけ踏みにじられた人が復讐する権利を放棄するような映画は感情的に理解されないと思う。たった一人の命を弄んだために大勢の人間が死ぬことになり、全てが終わった後に残る何も無さ。ここまでちゃんとリメイクしてほしかったね。
マネーボール」 デビッド・ミラー(シネマ・リオーネ古川)
今年のベスト映画の一本。ホント劇場で観て欲しい。
「コンティジョン」 スティーブン・ソダーバーグ(シネマ・リオーネ古川)
この前、BSで「アウト・オブ・サイト」を観た。スティーブン・ソダーバーグは上手いだけじゃなくて、ユーモアのセンスもあるし、登場人物も色っぽく撮れるのに、こんなに大御所感がないんだろう。あまり上手く機能してなかった「オーシャンズ」シリーズの豪華キャストも今回の映画には上手く活かされたような気がする。

Washさんの「スポーツ映画ベスト10」の結果も出ましたね。自分の出した作品はあまりランキングに入らなかったけど、自分の好きな映画が色々あがっててよかった。来年は観たい作品が劇場ではかからないかもしれないけど、がんばって足を運びたいです。がんばれ日本、がんばれシネマリオーネ古川。

ではでは。