2012年をゆっくりふりかえる。

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

年明け一発目の映画は「ホビット 思いがけない冒険」でした。時間帯の都合で2Dでの鑑賞でしたが、これから観る方には3Dをお薦めします。正直原作は「ロード・オブ・ザ・リング」の1/6のボリュームなので、3部作にするには強引な感じがしましたけど、あっちこっちに話が飛ぶ「ロード〜」よりも「ホビット」の方がシンプルな筋立てにたたみかけるアクションが素晴らしく3時間があっという間でした。時間が許せば3Dでもう一回観たい。
去年の劇場での映画鑑賞数は50本。少ないけどいつでも映画を観に行けた東京、横浜での生活を考えるとここでこの本数観るのは結構大変だと思う。劇場での鑑賞にこだわらなければもっと観られたのかもしれないけど、世の中の映画離れの傾向を考えると今劇場に足を運んでおかないとこれから先映画館で映画を観ること自体ができなくなる可能性もあるなと感じます。特に地方では。シネマリオーネ古川なんてあんな客数でどうして営業していられるのか全然分からないしね。それなりに大作はかかるし、リアルタイムで上映されない話題になった映画でも2か月遅れくらいでかかったりするのでなるべくそれまで待つようにはしてます。「フランケン・ウィニー」は2月に観る予定。

去年劇場で観た映画を振り返ってみる。

幕末太陽伝 デジタル・リマスター版 
元旦にフォーラム仙台にて鑑賞。左幸子南田洋子に挟まれて言い寄られる男になりたいもんだ。
宇宙人ポール
主人公たちよりUFOを目撃して世捨て人になった女の人のインパクトが凄かったな。
「葉っぱが〜!」ってシーンには笑った。
リアル・スティール
主人公が最低すぎて最後までノレなかった。ロボットたちの戦いが梅図かずおの「14歳」の”もの”たちの戦いにしか見えなくてね。こんな世界嫌すぎる。
家族の庭
慎ましやかにも自分たちの生活を確立している者たちと自堕落な生活をして自分を見失っている者たちの相容れなさをここまで突き放して容赦なく描くマイク・リーはすごい。
ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル
ここまで体張るトム・クルーズは本当に偉いと思う。「アウトロー」も楽しみ。「エクスペンダブル4」か「5」には出てもいいレベルだと思う。アクション・スターとしての消耗ぶりにも、ややマイナスに充実し始めたプライベート的にも。
ワイルド7
こんなのアクションでもなんでもねえから。冒頭あんなに簡単に一般人を殺しておいて、どう考えても人が死んでないとおかしい機動隊との銃撃戦で誰も殺してないというこのバランスの悪さ。この映画を作った人たちには同じ日に観た「ゴースト・プロトコル」と同じ金額客から取ってることを恥ずかしいと思ってほしい。
聯合艦隊司令長官 山本五十六
何度か印象的に描かれる中産階級の人たちが集まる飲み屋の会話って普通に今の日本でやってそうだよな。と、衆議院選を見ながら思った。
ALWAYS 三丁目の夕日'64
梅ちゃん先生」劇場版3Dみたいな映画だったね。同じ頃やってた「カーネーション」がテレビであんだけ凄いことやってたのにね。この程度の映画だったら直接古い日本映画観ればこと足りる。久松静児の映画観ればこれの100倍笑わせて泣かせてくれるよ。
ドラゴン・タトゥーの女
色々と凶悪な映画だった。これ続編もデビッド・フィンチャーでやってくれんのかなぁ。
アメイジングスパイダーマン
主人公が暇さえあればスマホいじってるような今時の若者って感じでその軽薄さが良くも悪くもアメイジングだったけど、サム・ライミ版の方が断然面白いからなぁ。中途半端にいいやつにしないで気まぐれでわがままなまんまのキャラクターで突き抜けた方が面白かったんじゃないかね。
戦火の馬
スピルバーグは生き急いでいる感じがするなぁ。コンスタントに新作が観られるのはいいですけどね。「リンカーン」もホント楽しみ。農業的にも昔のプラウ耕とか見れて良かった。
駅前旅館
貸間あり
東京で大学の同窓会があったので上京して、時間まで池袋の新文芸座でやってた淡島千景の追悼特集の二本立てを観てた。ほんとコメディセンス抜群でキュートで、時代についていけない古風な美人というような役が上手い人でした。暗い内容の映画でもこの人が出てると湿っぽくならないんだよな。「にごりえ」とか「もず」とかが好き。
ももへの手紙
結構この映画好きな人が多いみたいなので言いにくいんだけど俺はこの映画全然ダメでした。ちょうどこのころ「ウィンターズ・ボーン」を観たせいかな。あいつらの勝手で壊したみかんを収穫するための昇降機もあれ弁償したのかね。あのイノシシ親子のせいにされちゃってるんじゃないの?あの嵐の中わざわざ危険を冒してまで薬取りに行くことをあのお母さんが喜ぶとは思えないんだよね。
ダークナイト ライジン
ダークナイト」の続編だと思って見に行ったら「ロッキー3」みたいな映画でビックリしました。そういう映画なら最初からそう言ってくれればね。そういう映画だと思って観に行きましたけどね。
畑で虫にまぶたを刺されて病院に行ったときに、待合室のテレビでやってた朝の情報番組に最近フリークライミングをやってるらしい松原智恵子が出ててワイドショー会場に作られた壁に挑戦してたんですよね。彼女は頂上付近まで危なげなくスイスイ登ってって凄かったんですけど、最後の難関でどこに手をかけていいかわからなくなってしまって「ああ、どれにしよう…」と迷いながら壁にしがみついていたんですね。腫れてない方の目でテレビを見上げながら自分の心の奥底の方から「チーエーコチーエーコチーエーコチーエーコチーエーコ」という声援が自然と湧き上がってきたんですね。その声援が最高潮を迎えた時に彼女はガシっと頂上の岩に手をかけたんですよ。そこで俺は心の中でガッツポーズ。しかもこれカット割ってないですから。だから、あのシーンもやっぱりこういう盛り上がり方をしないとダメだったんじゃないと思うんですよ。作り手がライジングを心の中で信じてないという感じがしましたね。あと、ゴードン警部には今年一番頑張ったで賞を贈りたい。
宇宙兄弟
思ったよりも面白かった。ただ、少年時代から突然中年になる映画を観ると「その間何にもなかったのかね」と言いたくなってしまう。「オールド・ルーキー」の少年がぱっと振り返るとデニス・クエイドになっているあのちょっと乱暴な感じの違和感みたいな。原作はそんなことないですからね。あとせりかさんを演じた麻生久美子に漂い始めた中谷美紀的なあの変な「なんでも許してあげます」的な菩薩感にはちょっと不安が。あの役は仲里依紗あたりに演じて欲しかったな。
ヒューゴの不思議な発明
ルネ・クレールの「ル・ミリオン」のような賑やかさが3Dで飛び出してくるような楽しさが何とも心地よかった。普段映画を観ないような人たちにも薦めやすいジャンル映画としてのスペクタクルがなかったのはちょっと残念だったけど。
ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜
これをコメディとして撮るのが凄いなぁ。黒人の彼女たちがいつリンチにでもかけられるのかヒヤヒヤしながら観てた。人種云々よりも女性たちが軽く扱われていたがゆえにそこまで大事に発展しなかったのかなとも思う。
ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
トム・ハンクスがミスキャストだったと思う。いつからこんないい人モードのつまらない役者になってしまったんだろう。「プリティ・リーグ」のやさぐれ監督みたいな役が似合う人だったのに。「クラウド・アトラス」に期待。
ヤング≒アダルト
去年の紅白のプリプリがあの奥様方のバンド彷彿させたと感じた人がツイッターにチラホラみられるぐらいのインセプションは確実にあったと思う。あの身勝手さは他人事じゃないな。
ジョン・カーター
こけたことが話題になって可哀想だった。あんなに面白いのに。ダンボール戦記とか見せる前にこういう映画子供に見せたいという目利きができる親が本当に少ないんだなと世間の映画離れを感じた。あと久しぶりにちゃんとゴージャスで綺麗なお姫様というものを見たと思う。
バトルシップ
監督のピーター・バーグはもともとは中途半端なイーサン・ホークというような感じの見た目の「レイト・フォー・ディナー」の頭の回転が遅い弟とか「甘い毒」でリンダ・フィオレンティーノに尻の毛まで抜かれるようなボンクラがはまり過ぎてた俳優さんで、主人公のダメ男ぶりが監督自ら演技指導したんじゃ思えるくらい素晴らしくて最高でした。チキン・ブリトーが世界を救うって話だからね。あと浅野忠信が英語で喋ってもいつもの浅野忠信と違和感ないところが良かったです。丹波哲郎っぽい。

今日はこのあたりでやめときます。