「ホラー映画ベスト10」に参加します。

今年もWashさんの「ホラー映画ベスト10」に参加させて頂きます。
これから挙げる映画よりもすごい傑作もありましたが、まだ自分が映画をフィクションとして割り切ることができない多感な時期に観たホラー映画を挙げたいと思います。子供の頃から本当に怖がりで80年あたりのビデオレンタル店に貼ってある「フェノミナ」や「クリープショー」等のポスターも見られずに避けていたほどでした。


好きだった女の子に「今度の日曜お父さんに『コマンドー』とバタリアンの二本立てに連れてってもらうんだけど行かない?」と誘われて「女ってホラー映画平気なんだ!」と衝撃を受け「ホラー映画を観れないと彼女も作れないのか!」と苦悩の日々を送りました。

ある日、急に自習になったのでクラスで映画を観ることになり、なぜか「トップガン」「少年時代」「ゾンビ」のどれかを観ることになったのですが、女子の圧倒的な支持のもと「ゾンビ」を観ることになりました。このとき前を向きながら実は画面を観ていないという技を会得し何とか見続けることができました。上映された「ゾンビ」は録画で録ったものらしく冒頭部が少し抜けており途中から観ることになったのですが、実はそんなズル技を使わなくても十分面白かったのです。しかし、ショッピング・モールに逃げ込んでから女の人が実は妊娠していたということがわかるシーンでベルが鳴り「やっと終わった」と安堵するも「続きはどうなるんだ?」という気持ちを引きずることになるのでした。

高3の頃アメリカに留学することになりテキサスの田舎に行くことが決まりました。ホストファミリーへの手紙で映画が好きなことを書いたら、向こうのホストファーザーも映画が好きで一緒に映画を観て楽しもうという返事がきました。彼の名はケネスといいブライアン・デネヒーとほぼ同じ顔で職業は警官でした。

テキサスの家についたその日の夜にケネスのお気に入りの映画を観ることになりました。そのタイトルは「Zonbi 2」。「ゾンビ」が「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」の続編だということを中途半端に知っていたので「ああやっとあの続きが観られる」と思って見始めたのですが、とにかくゾンビが人を襲うゴアシーンが凄まじく、ゾンビが水中でサメと闘ったりするのです。何か違う…こんな映画だったっけ…。とにかくコレは絶対に自分が苦手な映画だと思いケネスの方を見やると
(☆ゝω・)b⌒☆ね!と表情を向けて来たので、ここでビビったら日本人がなめられると思ったのでd(ゝc_,・。)イイネ!!と耐えることにしました。映画の中盤、ある島でゾンビの研究をしてる博士の若い美人の奥さんがドア越しにゾンビの腕に髪をつかまれ引っ張られます。彼女の顔の先には突き破られたドアの木の破片が突出しており、そのまま引っ張られると彼女の眼球に木片が突き刺ささります。

そこをゆーっくりゆーっくりと撮っています。「マジで!ま、まさかこのまま…」と思い再びケネスを見やると、
(☆ゝω・)b⌒☆ね!________d(ゝc_,・。)…イ、イイネ!!
この映画のタイトルは、
1位サンゲリア(1979)監督 ルチオ・フルチ
ずいぶんと引っ張りましたが、この映画の登場人物のほとんどが「志村、後ろ!」どころか「前だよ、前」的なシチュエーションで死んでいくので、ルチオ・フルチが演出の怖さよりも人物の死に方に重きを置いた作品だったわけなのですが、「これに耐えられればどんな映画でも観られる」と勘違いし、その後怖い映画に手を出しては地獄を見るという行動を繰り返すことになります。「マッキラー」を観て思ったけど、ルチオ・フルチって真面目人なんだと思う。

2位「ブロブ/宇宙からの不明物体」(1988)監督 チャック・ラッセル
ケネスのお勧め第二弾。前回の「サンゲリア」を頑張ったので余裕で観られるだろうとたかをくくってたのですが、映画の冒頭性格もよく勇気もあり映画の主人公と思しきイケメンが突然死にます。善良な中年カップルが愛情を持って描かれた後に死亡フラッグが立ちます。ホラー映画における安全の法則がことごとく破られた映画でそのパワフルな演出に圧倒されました。これが後に「ミスト」を撮るフランク・ダラボンのとの出会いだったワケですが。

3位「ニア・ダーク 月夜の出来事」(1987)監督 キャスリン・ビグロー
深夜の映画番組で観た作品。10代の頃、テレビは茶の間の一台しかなかったので映画は深夜か早朝に観るしかありませんでした。その時間帯にエリック・レッド脚本の映画の独特の寂寥感がマッチしていて雰囲気あるんですよね。怖かったというより好きなホラー映画。ジェニー・ライトが可愛い。

4位「ザ・バニシング-消失-」(1988)監督 ジョルジュ・シュルイツァー
アメリカの同監督によるリメイク版「失踪」もあるけど、こちらはオリジナル版。なかなか観るのが困難な映画で都内のビデオレンタルを探し回って、西荻窪北口にあるビデオ屋でようやく見つけて鑑賞。旅先のつまらない喧嘩で別れた彼女が突然失踪し、主人公は何年もの執拗な捜索活動を続けていたところに突然犯人と名乗る男が現れるという話。「CSI」の1stシーズンの第一話でもこの映画のネタがまんま使われてました。犯人が異常者ではなく、とにかくその行動の動機が怖く救いがなさすぎるところに戦慄しました。

5位「ヘンリー ある連続殺人鬼の記録」(1992)監督 ジョン・マクノートン
個人的に連続殺人鬼を描いた作品ではベストと思う。「ノー・カントリー」の殺し屋も怖かったけど、この映画の影響も感じます。実際に殺されるシーンがほとんどないところが逆に怖い。

6位「マタンゴ」(1963)監督 本多猪四郎
吸血鬼ゴケミドロ」と迷ったけどたぶん人生最初のホラー映画体験、しかもそれは映画を観たのではなくて、小学校の頃のクラス担任がこの映画のストーリーを結末まですべて怪談でも語るように聞かせてくれたのです。その語り口が上手くて数年前にフィルムセンターで初めて観たときに、細かい細部まで同じだったのに驚きました。食べ物がなくなる怖さ、それに伴って失われる人間性、救いのない結末。和製ホラー映画の傑作です。

7位「テナント/恐怖を借りた男」(1976)監督 ロマン・ポランスキー
昔、WowWowで観ました。「センチネル」や「ローズマリーの赤ちゃん」などの怖い住人系ホラーであり、「ジェイコブズ・ラダー」のような覚めない悪夢系でもあるロマン・ポランスキーが主人公を演じるホラー映画。世間しらずの若者が大都市に引っ越してきてワケありの物件を借りたら、周りの住人の嫌がらせが現実なのか自分の自意識過剰なのか分からなくなっていくというお話。これは好きな映画です。
  

8位「家」(1976)監督 ダン・カーティス
「たたり」「シャシング」などの館系ホラー映画の傑作。個人的には「シャイニング」よりもよく出来てると思う。幸せな家族が郊外の古い屋敷を格安で買ったために、徐々に悪意のようなものに蝕まれていくというお話。カレン・ブラックがシェリー・デュバルとは違った意味で怖い。ダン・カーティスの「戦争の嵐」シリーズはDVD化してほしいな。

9位「ヘル・レイザー」(1988)監督 クライヴ・バーカー
「エルム外の悪夢」や「13日の金曜日」のようなホラー映画の人気キャラクターの中ではこの映画のピンヘッドがすきですね。魔道士たちがスタイリッシュでカッコいい。本格的に一般人が死にまくる「3」もすきですね。個人的には「丘に、町が」の映画化してほしいです。

10位「リング」(1998)監督 中田秀夫
♪ク〜ル、キットクル〜二本立て興業とかが出来てた頃だから、公開されてからずいぶん経つんですね。怖がりのくせに心霊写真とかは好きだったので、都市伝説とかその種のエッセンスを凝縮した映画の作りは見事でした。パロディとしてレベルの高い「最‘狂’絶叫計画」も好きですね。

でも、本当に怖いのは「火垂るの墓」だけどね。

集計大変だとおもいますが、よろしくお願いします。

サンゲリア [DVD]

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ブロブ?宇宙からの不明物体? [VHS]

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DVD出てないのね…。
ザ・バニシング-消失- [DVD]

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ヘンリー ある連続殺人鬼の記録〈Collector’s Edition〉 [DVD]

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マタンゴ [DVD]

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テナント?恐怖を借りた男 [VHS]

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家 [DVD]

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ヘル・レイザー [DVD]

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リング (Blu-ray)

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http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/20121031