結構前のはなし。

文章を書くのがあまりに久しぶりなので、何を書いていいのか考えがまとまらない。

僕の祖父が先月の末に亡くなった。祖父はここ数年ずっと元気がなかった。認知症が進み違った意味で元気になってしまった祖母とは対照的に、頭はしっかりしていたがゆえに思うように動かない足や聞こえない耳のせいですっかりと心を閉ざしていた、ように思える。聞こえないので皆が大きい声で話そうとしたりするとめんどくさそうに話をさえぎったりしていた。かと言って補聴器は年寄りっぽく見られるからなのかつけてなかった。

祖父は子供の頃は下手に話しかけると怒鳴られたりして怖いタイプの人だった。数年前、祖父に太平洋戦争のことを聞いてみたことがあったのだがその時にはすでに耳が遠くなっていて話がかみ合わなかった。葬式で彼に親しかった人に話を聞くとやっぱり厳しいひとだったらしい。僕だけに厳しかったんじゃないと思ってちょっと嬉しかった。葬儀屋さんが過去の写真から作ったメモリアルDVDを観た。母の兄弟が写っており、田舎ほっぺの可愛らしい少女が僕の母だった。祖父がちょうど僕の今の年齢くらいの写真があり、甥っ子にそっくりだった。正月のような祝い衣装でとてもいい笑顔の写真だった。このころはどんな人だったのだろう。しゃべってみたかった。